物欲が止まらない。

「PayPayやめました。汗をかかずに儲かるシステムへの小さな抵抗」について

2023/08/17
日記 0
隣の芝は青く見える。
隣の隣の芝生は更に青く見える。更に隣は・・

Fzhy_HVacAATLMs.jpg

先日TikTokをなんとなく眺めていて回ってきたこの画像。
飲食店の張り紙らしく、どこの店の張り紙なのかは詳細は不明。
あちこちのまとめサイトで掲載されたりしていて多少話題になっているみたいではある。

内容としては、

PayPayやめました!
paypayの2022年度決済取扱高が10兆円と
聞いてやめました😂
(お店側は2%ペイペイに支払います)

「汗をかかずに儲かるシステム」への小さな抵
抗です(;'')
ご不便をお掛けしますが、ご理解の程、宜しく
お願い致します。

というもの。
PayPayは大赤字で儲かってないぞとか、10兆円って取扱高だぞとかあちこち突込みどころがあるのは置いておいて。
別に筆者はPayPayのシステム構築に携わった人間ではないけど、一人のエンジニアとして結構ショックな内容の張り紙ではある。
怒りなどは遠に通り越し、呆れるというか、もはやなんの感情も湧かなくなるような稚拙な内容だとは思っている。

筆者にはITエンジニアにだけではなく、オフィスワーカー全員への暴論のように感じる。
特にクレジットカード会社や証券会社やもっというと銀行などの金融業界は手数料で利益を得ている訳で、その人達にも「汗をかかずに儲けいている」と発言しているのと同じと感じる。

おそらくこれ書いた人や肯定している人はITやシステム構築に対する知識は皆無であるのは間違いないと思う。そして何より想像力がない。システムは一度作ればおしまい。あとはお金を生むだけの錬金術のようなものだとでも思っていて、リリース後のシステム保守のほうが難易度が高いことも想像できないのだろう。

隣の芝は青く見える。
隣の隣の芝生は更に青く見える。更に隣は・・

飲食店やっている人にとってIT業界や金融業界というのは隣の芝ではなく、隣の隣の隣の芝くらいだろうか。とにかく遠い業界なのもしれない。なのでそう思われるのもある程度は仕方がないのかも。

しかしまぁ商売やって体を動かして実際に汗を流している経営者なのかも知れないけれど、お客さんの中にはITエンジニアも銀行員やクレカ会社で働く人などもいたりして、そういう人がこれを見てどういう気持ちになるかの想像も出来ないような人がやっているお店ということだろう。であれば、色々とサービスの質や接客内容にもそれらがあらわれて自然淘汰されるようなお店な気もするけど、この張り紙を貼ったお店のお先はもはやどうでもいい。
(そもそも飲食店の経営者なら銀行と取引してその辺りの苦労も目の当りにしていないのかな?)

ただこれはITエンジニアやプログラマの待遇が上がらない日本人の認識をよく現しているのではないかとも思う。

世間の反応などは他の記事やまとめサイトを見てほしいのだけど

関連リンク:「PAYPAYやめました。汗をかかずに儲かるシステムへの小さな抵抗」キャッシュレス決済を廃止したお店が話題に

ここのコメント欄(XへのPost)、大体がこの張り紙に対する否定的な内容で、ほとんどの人がオフィスワーカーの苦労を理解してくれているのには安心したけど、やはりこの張り紙に同調するような意見も・・
そのコメント欄(XへのPost)やBBSへの投稿の張り紙への同調意見を抜粋するとこんな感じ。

スクリーンショット 2023-08-21 174430
スクリーンショット 2023-08-17 013126スクリーンショット 2023-08-17 013039スクリーンショット 2023-08-17 012918

これが「一部の」ではあるが、悲しいかな、日本人のリテラシーなんだろうなと。

学生時代を含めれば、社会人の殆どが飲食店などで体を動かして汗をかくという経験は大概の人はした経験があるが、一方でデスクワークで汗をかくという経験となると、実は世の中の成人の3割くらいの人は経験が無いのではなかろうか。
筆者も新卒の頃、慣れないプログラミング作業を延々と毎日終電、土日出勤で行い、急性胃腸炎を患ったりなどもした経験がある。そのことを話すと武勇伝を話したみたいになるし、おそらくその苦労は大概の相手に伝わらないのであまり語ってはいない。それはなぜかというと自分も含めてだけど多くの人はやったことない仕事の苦労の想像なんて出来ないから

ずっとフリーターの人、ずっと飲食店で働いている人、ずっと引越し業者の人、建設現場、鳶職、宿泊業界の現場の人など、新卒から体使って汗をかく肉体労働などにしか携わったことがない人間、学生結婚してそれ以来、専業主婦でパートのみしか経験がない、実はそんな人も結構な数いたりして、自分がそんな立場であれば、今の自分のデスクワークで汗をかくという立場での苦労が想像できただろうか。

うん、分からん。

デスクワークで苦労したことがある人間はたくさんいるだろうけど、新卒から飲食・小売業などで就職してそれ一筋の人は、デスクワークでゲロ吐きそうなくらい苦労するという経験がなく、逆に店頭などの現場で、分かりやすい上司や店長からのパワハラやセクハラ、ときには暴力、顧客からの罵声や暴言などには耐えてきたという経験はあるという人もいるだろうし、明らかに後者の方が世間の人には分かりやすいストレスであり、同情も得られやすい(もちろんIT業界などでもそうしたハラスメントはたくさんあるが)。そんな人に筆者のようなデスクワークでの苦労を話しても理解はほぼ得られないのだ。

しかし、今こうして記事を書いている間も、例えばこのPCやエアコンには電気が送られているわけだけど、電力会社の人、他にも水道局の人、ガス会社の人、その人達が汗をかいてインフラ整備して安定供給を実現していることを自分はちゃんとリスペクトしているだろうか。インフラがしっかりしていればしっかりしているほど、それらを利用していることさえも忘れて、そのコンセントや水道管の向こうで苦労している人たちの努力を忘れがちで、更には「電気代高けぇなぁ」ど愚痴だけは立派になってはいないだろうか。

そしてそして、オフィスワーカー側も飲食店で長時間働く人達や小売店で顧客に暴言を吐かれながら働く人達など、物理的な汗をかいて仕事をしている人たちに対して、ちゃんとリスペクトしているだろうかと。
実は業界問わず多くの人は他業種への想像力が足りないのだと思う。

だからといってこういう張り紙を貼る飲食店の経営者を擁護するつもりなどは全く無くて、むしろこういう人にこそもう少し他業種に対して想像力を膨らませようよ、というお話。
(あと分からない業界に対して張り紙という手段で主張するのは如何がなものかとも言いたいけど・・)

それは飲食店の経営者からのオフィスワーカーへの視点だけでなく、すべての労働者に対して異業種に対して想像力を膨らませ、リスペクトしましょというお話でもある。

デスクワークやって汗かいていても、我々オフィスワーカーも、前述の通り、インフラなど整備している人などの苦労に対して想像力やリスペクトが足りないのではなかろうかと。

それは飲食業界の現場の人に対しても。かつてバイトしていた飲食店の苦労も社会人になると忘れがちになる。
キャッシュレスはもちろん、デリバリーサービスの台頭や移り変わりの激しい流行食やコロナなど、ますます変化の激しい世界で苦労して汗かいて仕事している飲食業界の人たちのこともちゃんとリスペクトしてありがたく利用させてもらおうかと思う。

長くなったけど、言いたいのはほぼすべての労働者は苦労していて汗をかいているということ。それに対して異業種感で想像力を膨らまして、リスペクトしあって、共存共栄で経済を支え、日本を発展させていきましょというお話。

Comments 0

There are no comments yet.
日記